空・天気 火 人・地域 食 つくる パジャマパーティー(年長児お泊り会)

2022年11月14日

テーマ:
空・天気/火/人・地域/食/つくる
年 齢:
5歳児(特化型・普及型)
ねらい:
・パジャマパーティー(お泊り会)の生活のイメージを友達と共有しながら話し合い、パジャマパーティーへの期待を持つ。
・自分以外の人の意見を丁寧に聞いたり、自分の主張を話す経験を通して、パジャマパーティーのイメージが膨らんでいく楽しさを味わう。
・昼間から夜にかけて園の様子が変わっていくことを知る。
・自分たちで作る食事に関心を持ち、友達と食する喜びを持つ。
・様々な用具を使って生活を進めていく楽しさや、できたという満足感を味わう。
・自分の感じたこと(五感)を保育士や友達に伝える喜びを感じる。

活動内容

10月21日(金)晴れ

年長児が楽しみにしていた日がやってきました。4月、年長になった時からこのパジャマパーティーを楽しみにしていました。

くじら雲創設時に「夜までくじら雲にいてみたい」といった子どもたちの言葉から始まったパジャマパーティー。いつしか、年長児の特権となりました。

パジャマパーティーの企画、運営は子どもたちが行います。この日を迎えるまでの話し合いは真剣。

夕食、朝食のメニューや、パジャマパーティーでやりたいことを話し合います。

初めての話し合いの時は、スムーズにメニューが決まりました。しかし、話し合いを重ねる中で、決まったことがひっくり返ることもありました。

例えば、夕食のスープについて話し合った時。

A:じゃあ、多数決はどう?

B:多数決はだめだよ~。

C:かくれんぼは?

B:スープの話!

D: みんな別々のスープは?

E:別々はやだな。

B: 作るの疲れるし・・・

C: 朝ごはんは?

B: スープの話だよ。Fちゃんも何か言っていいんだよ。

E: 豚汁がいい?

B さんは、ひとりひとりに訊きました。

B: Gちゃんはどっち?

G: 豚汁って知らない。

B: 作ったことあるじゃん!

G: 忘れちゃった! お芋スープがいい!

A: じゃあ、お芋のスープがいい。

G: さつま芋!

C: いろいろな芋がいい。

G: じゃが芋はやだ!

D: 紫のお芋ならあるよ。

E: ふっかふかのお芋がいい。

G: おら、さつま芋がいい。

A: そうする。

C: いい?豚汁で?

G: おれ、やっぱり、やだ。

E: もう、みんないいやつにして。

H: G ちゃんは何がいい?

G: わかんない。お芋スープ。

E: お芋スープにしたいんだけど、豚汁がいい。でもGちゃんが・・・でもI ちゃんがだめじゃん。

A: あと1回寝たら(パジャマパーティー)

B: あと1回、保育園に来たら(パジャマパーティー)だよ。

E: 早くスープのこと、考えないと・・・

というように。

そして、迎えたパジャマパーティー当日。

荷物を抱え、元気に集まりまった子どもたち。保護者の皆さんは、子どもたちが里心がつかないように早々に園を後にしました。

 

子どもたちは、まず荷物の整理をしました。食器は食器棚、洗顔用のタオルは引き出し、服はロッカーの引き出しへ。

 

そして、明るい内に夕食準備。

畑からねぎを抜いて

切ったり。

みんなで収穫したさつま芋を洗ったり

切ったり

こんにゃくをちぎったり

油揚げを切ったり。

鍋に食材を入れ、焚火にかけたら・・・・

寝床の準備

寝る前に読んでもらう絵本(一人1冊)を選び

夕食のテーブルセッティング

デザートの焼きマシュマロに使う竹串作り。ナイフで竹を削ります。どの子も真剣に。

「堅い!」

いよいよ、お楽しみの焚火パン!

 

「まだ、焼けないかなあ」

「まだ、まだ。」

「まだかなぁ」

「まだまだ」

「ちょっと、膨らんできたよ」

「いいにおいもしてきた気がする」

星を見ながら焼いた焚火パン。全員のパンが焼けたところで

「みんなのパジャマパーティーに乾杯!」

「パジャマパーティーって楽しいね」夕食を食べながら、振り返り、話し合っていました。

夕食後は食器を洗い、お宝探しへ。

お宝は、マシュマロ!暗い中で焼くのが難しい。

歯磨きをした後は、ナイトウォーク。暗い道を数メートルですが、1人で歩いてみたり、コオロギの声が聞こえたところをライトで見たり、木の葉っぱが昼間とは違う色に見えることに気付いたり、影が長かったり・・・。昼間とは違う闇の体験をしました。

こども園に戻ると、暗闇でのかくれんぼ。2チームに分かれて隠れましたが、どちらのチームも声を潜めて隠れていたので、探すチームも足音を立てないように歩き、耳を澄ませ、相手の息遣いに聞き耳を立てました。

そして、パジャマに着替え、絵本を1冊ずつ読んでもらったところで、「おやすみなさい」。

部屋が暗くなると、1人、2人と眠りについた子どもたちでした。

夜中は、離れて寝たはずなのに、お隣の人の所まで転がってきていました。

次の朝、子どもたちは5時半に起き、着替え、寝床を片付け顔を洗って外へ・・・

「おはよう!!」「おはよう!」

準備ができた子から順々に焚火の周りに集まり始めました。太陽はまだ山の中・・

太陽が出てくるのを待ちます。やっと出てきた太陽に・・・

「おはよう!おひさま。」「♪おはよう、たいようさん。♪おはよう、だいち(大地)~」

毎朝くじら雲で歌う歌が合唱になりました。

昨晩、ナイトウオークした道を朝、散歩します。

「鹿がないてるよ」「鳥も・・・」

朝ごはんの準備をして

お待ちかねの朝ごはんは、焚火で温めたホットサンドと飲み物。

 

帰り支度を済ませ、お家の人のお迎えを待ちました。

お家の人の顔を見た子どもたち。

「あー、楽しかった!!」

お家の人と手をつないで、園を後にしました。

子ども達のきづき

どの子も年長児としての自覚を持ち参加していました。ちょっぴりの心配はあるけれど。

でも、園にきて、友達と話をしたり、準備を進めていくことで気持ちが落ち着いていきました。

普段、一緒にいる友達でもこんなに長い時間生活を共に過ごすことはありません。

でもみんな、本当にやさしく安定した気持ちの中で様々なことを取り組んでいました。

自分たちが計画したことを実際に自分たちの手で進めていくことは、とても楽しいことでした。みんなで共有もしていたので一人一人が皆主体的に行動し、自信を持っていたように思います。

当園の環境も自然に恵まれているため,五感をフル活動しているように思いました。

 

 

事例に対する保育者の思い

子どもたちが期待を持ったり、楽しいことをする喜びに勝る活動はありません。計画からすべて子どもたちに任せ、保育士は見守ることに徹しました。子どもたちの決めたことを尊重することで子どもたちはさらに考え、悩みながら友達とのつながりを深めながら結論を出していきました。

子どもの「できる!」「失敗しても大丈夫!」の心を支えること。それはこの企画のみのことでなく、日々の積み重ねで今があると感じています。保育士も、保育士として悩むことも大事に思っていきたいと思う毎日です。

あずみのしりつあかしなきたにんていこどもえん/きょういくのやまざとくじらぐも(にじぐみ いるかぐみ らっこさんぐみ らっこちゃんぐみ) 安曇野市立明科北認定こども園/響育の山里くじら雲(にじ組 いるか組 らっこさん組 らっこちゃん組)

園の形態 普及型
代表者氏名 園長   : 塚原理恵  
運営法人 安曇野市      NPO法人 響育の山里くじら雲
運営法人代表者名 安曇野市長 太田寛  依田敬子(響育の山里くじら雲 理事長)
園の設立日 1974.4.1
認定日 令和6年3月15日
区分 認定こども園
住所 〒399-7101 安曇野市明科東川手872-1
エリア 中信
お問い合わせ先 TEL : 0263-62-3954 
FAX : 0263-62-6205 
MAIL : hoiku@city.azumino.nagano.lg.jp
ホームページ http://www.city.azumino.nagano.jp/site/hoikuen/     https://kujiragumo.jp
定員数 未満児 : 12人 3歳児 : 20人 4歳児 : 30人 5歳児 : 30人 6歳(学童)以上 : 0人
基本開所曜日 月,火,水,木,金,   土は他園で実施
基本開所時間 7時30分〜19時
延長保育の有無
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