2021年6月11日

テーマ：

土／植物・生物

年　齢：

2歳児

ねらい：

・生き物の名前や飼い方を知り、興味や親しみを持つ。
・身近な生き物とふれ合う中で、命の大切さを知る。

外で体を動かして遊ぶことが大好きな子どもたち。園舎裏のわくわく広場で土手登りを楽しんでいます。すでに登った子たちは応援団！

しばらく土手登りに夢中になっていると、土手の下から「あっ！ダンゴムシ！」という子どもの声が聞こえてきました。その声に、なんだなんだと他の子どもたちも集まっていきます。自分でダンゴムシ捕まえたり、保育士に手に乗せてもらったりしながらどんどんダンゴムシを集め、「ダンゴムシほしい…。」と一言。どうやらお部屋に連れて帰りたかったようです。すると「じゃあおうちがいるよね！」「葉っぱとかいるかな？」「おもちゃも！」と次々声があがり、ダンゴムシのお家作りがスタートしました。

草や石など、ダンゴムシに必要そうなものをそれぞれ自分で選んで持っていくことにした子どもたち。初めてのお家作りにワクワクドキドキ。「先生見てー！」「これ持ってく！」と得意気な顔で見せてくれました。

お部屋の前に着き、虫カゴを開けると「ここでいいかな。」「僕も早くいれたい！」と自分たちの手で丁寧に草や石を入れていました。

そして、いよいよダンゴムシさんがお家に突入！みんな興味津々で、保育士が虫カゴを見る隙間もないくらいギューギューで見ていました。自分が持ってきた草にダンゴムシが登ってくれると、「あー！登ってるー！」「なんかうれしそう！」と大喜び。

室内に入ってからも、「ダンゴムシさんはー？」「見たいな〜」と熱はまだまだ冷めず、お部屋の中に虫カゴを持っていくことにした子どもたち。普段だとおもちゃや絵本にまっしぐらですが、この日は虫カゴから離れることなくずっと眺めていました。

しばらくして子どもたちがご飯の時間になると、「ダンゴムシさんって何食べるんだろうね？」という話に。お部屋にみんなのお気に入りのダンゴムシの本があったので、その本を見て勉強することになりました。本を見て「えー！」「葉っぱ食べるんだねー！」と驚きの声があがり、同時に土が必要なことやじめじめしたところが好きだということも分かってきました。

虫カゴに土を入れると、居心地のよさからどんどん土の中へ潜っていくダンゴムシ…。そんなダンゴムシに子どもたちは、「あれ〜？いないね〜」「どこ〜？」と目を凝らして探す姿がありました。これからもしばらくダンゴムシに夢中になる日々が続きそうです。

それから数日経った日のこと、いつものように虫カゴの土に潜るダンゴムシを探していると、なにやら白いものが…なんと一匹のダンゴムシが脱皮していたのです！「え？」「なにこれ？！」と驚く子どもたち。ダンゴムシの本に脱皮について載っていたことを思い出すと、「お洋服脱いだの…？」とダンゴムシをよく見つめながら尋ねていました。脱皮していくことで大きくなっていくダンゴムシを本では見ていましたが、実際に見るのは始めてだったのでとても不思議そうにしていました。

今まではダンゴムシの動きを熱心に目で追っていましたが、だんだんと脱皮した白い殻に気がついたり、「これ赤ちゃんダンゴムシ？」「こっちの大きい！」といくつかのダンゴムシを比べて大きさや色の違いを発見したりする姿が増えてきました。観察していくうちにどんどん増えていく”発見”に、さらに興味深くなっていく子どもたちです。

これまで『ダンゴムシ探し→見つける→少し触ってみる』で満足していた子どもたちですが、今回自分たちで考えながらお家を作ったり長い時間観察したりすることで、ダンゴムシへの関心が一層深まったように感じます。外遊びでのひとときでは気がつけなかった色や大きさの違い、食べるものや好む環境などたくさんのことを知ることができ、飼ってみたことで得られたことが多くありました。

また、虫カゴをみんなで囲って眺める中で、よく見ようと虫カゴを動かす子がいると「動かしたらだめなんだよ。びっくりしちゃうよ。」とダンゴムシの気持ちを考えだす姿も見られるようになってきました。深く関わっていくことで少しずつ小さな生き物との接し方を学んでいく姿から、これからも様々な生き物との関わりを通して命の大切さ、尊さを感じていってもらえたらと思います。