2019年8月31日

テーマ：

水／空・天気／人・地域／つくる

年　齢：

3歳児

ねらい：

・水に親しみながら、自分で作ったおもちゃで遊ぶことを喜ぶ。
・異年齢のお友だちと関わりを持つ。

7月から楽しんできた水あそび。今年は涼しい日や天気の悪い日も多く、プールあそびのできない日もありました。

しかし！プールに入れなくても水あそびは楽しめるんです。園庭で水を使っての泥んこあそびや水あそび。室内でも水あそびに使うためのおもちゃ作り。

その中でも夢中になっていたのが“ふね作り”です。

ふね作りの始まったきっかけは一人の子からでした。

「見て見て、ふねを作ったよ‼︎」と置いてあった折り紙でふねを折ってみせてくれました。

それを見た他のお友だちも「どうやって作るの？？」と興味津々。折り方を教えてもらって真似っこして作ります。

そのうちにふね作りは膨らんで…箱や折り紙、色々な素材の置いてある中から、好きなものを持ってきて作り始めました。

箱の中に紙を切ったり、丸めてテープで止めたりした、たくさんの宝物を入れて宝船を作ったお友だちもいました。

ある日、ふねを水に浮かべてみたいな！との声。園庭での水あそびにふねを持って行きたいと数人のお友だちが言いました。

ドキドキ、わくわく、自分の作った“ふね”がどうなるか楽しみに服を着替えて水あそびに出発‼︎

いざ、水の中へ‼︎

「わぁ、浮かんだよ！」と嬉しそうな声。

…しかし…しばらくすると…

「あれ？壊れちゃった」

「沈んじゃうねぇ？」

紙の船は溶けてぐちゃぐちゃになってしまいました。どうして？？と悲しそうに話していると、近くにいた年中ぐみのお友だちが「水に入れると紙は溶けちゃうんだよ！」と声をかけてくれました。

それを聞いてもよく分からず「？？」と困った表情の年少ぐみのお友だちに「ゼリーのカップとか牛乳パックなら大丈夫‼︎」「来てきて、こうゆうの。」と素材の置いてある部屋まで連れて行って実物を見せてくれながら教えてくれました。

お兄さん、お姉さんに教えてもらい、早速「これはいいかな？？」と保育士に聞きながら“壊れない”ふね作りを再開です。

「煙突もつけよう」とカップを押さえながらセロハンテープで止めているお友だち。「これで取れないかなぁ？？」と念入りにチェックしています。

その後も作っては水に浮かべ、また作っては水に浮かべを繰り返して楽しんでいました。

水あそびをたくさん楽しんで、水と仲良しになった夏でした。

「水に入れても大丈夫かな？」と色々な素材を見比べたり、触ったり、保育士や友だちに聞いてみたりして、試行錯誤しながらふね作りを楽しむ子どもたち。

しかし‼︎何度かプールで試しているうちに新たな問題が！

「あれー？？バラバラになってきちゃった…」カップなどをセロハンテープでつなぎ合わせたふねが壊れてしまったのです。

「セロハンテープじゃダメなのかな？？」とテープの問題だと気づいた子どもたち。

次の日、「もっと強いテープちょうだい‼︎」とビニールテープをハサミで切りながら貼り付けていました。色が付いているテープなので、ふねもきれいな色になり子どもたちも何色にしようかな〜と新たな楽しみを持ちながら楽しんで作っていました。

その後、作ったふねをプールで遊んで楽しんでいました。しかし、カップ同士に隙間があると水が入ってきて沈んでしまったり、テープを切るのが短いと取れてきてしまったり…遊ぶ度に課題が見つかります。

「どうして？」「なんで？」子どもたちのふね作りはまだまだ改良を重ねながら続いています。

そして水あそびをしながらこんなことにも気づきました。

雨上がりの園庭には大きな水たまりが出来ていました。すぐに水たまりに入って歓声をあげて遊び始めましたよ。

「お水ってボールみたいに蹴ることができるのかなぁ？」

「せーの！」バシャッ！

「わぁ‼︎水が飛んだ！」「水って飛ぶとキラキラしてきれいだね！」と何度も何度も水を蹴って楽しんでいました。

そしてこちらでは…。

なんとくまさん滑り台が泥んこに。思わず近づいて「どうしたのー？くまさん滑り台が泥んこになってるよ？」と声をかけようとすると、「見てみて！今くまさんを、きれいにしてるの」「泥で顔を、パックしてるんだよ」と目をキラキラさせて教えてくれました。そのまま少し見守ることにしました。

パックが終わると水をかけてきれいにし始めました。「小さいカップよりも大きなカップで水をかけた方が泥がたくさん落ちるよ！」と大きな砂場道具に水を入れて運んで勢いよくかけています。

「この端っこにもまだ汚れがあるよ。」とゴシゴシ。ピカピカになったくまさんを見て満足気でした。

遊びながら色々な発見をする子どもたち。水あそびをしながら、ふねを水に浮かばせるには…水に入れても壊れないようにするには…と試行錯誤を、繰り返しながら作っていました。

こうすればいいよ、これを使えばいいよ、と保育士が教えるのは簡単ですが、子どもたちが試して考えて、年上のお友だちから教えてもらって、発見した時の嬉しそうな顔、満足そうな顔。子どもたちに十分試したり考えたりできる時間や材料、場所を用意したいなと思いました。

水あそびといってもプールに入るだけでなく、水と関わりながら色々な楽しみ方ができるんだな、と子どもたちの成長を感じた夏でした。